The Period of I.D.F -page2
台南市は、台湾第4の都市である。私が駐在していた頃の1982年に 当時の会社が台南に支社をつくることになって度々台南を訪れることになったのだが ここに出張で来ると楽しみなのが 市に隣接する空軍基地を離発着する迷彩塗装のF-5EとF-5Bであった。市内の運動競技上で現場調査をしている時に 目の前を低空で離陸していくF-5を見て激しい衝撃を受け 当時付き合っていた彼女と休暇を取って台北からわざわざ列車に乗って撮影に来たこともあった。その時は残念ながら雨模様で無駄足になったが 1990年代に入ってからも この基地に対するあの当時のイメージが強く 優先的に足を運ぶ基地であった。しかし 撮影条件が決して良い基地ではない。何せ基地南側は、養魚場が並び見通しが良すぎて隠れる場所も無いものだから 撮影にシクハクしたことが多い。2002年再び訪れた台南基地は、IDFの最新戦闘部隊としてよみがえっていた。(2007/5/20記)
Wings
台南に最初に配備された2機のIDF、1460(単座)と1620(複座)。今までの主F-5Eと並んで 記念撮影をしたときのもので 軍関係者のみが立ち入りを許されたそうである。複座型と単座型でキャノピの開閉方式が異なるのがお分かりだと思います。
胴体下に天剣-Uを抱えて着陸する1496号機 サイドワインダーまたは天剣-Tと言った短距離空対空ミサイル4発と天剣-U中距離空対空ミサイルを胴体下部に2発付けると言うのが IDFの標準装備だが 一般の飛行訓練時にこれだけつけていることは珍しい。
第1大隊
1st AIR GROUP
第1大隊のIDF 尾翼のラインナップである。この大隊徽を付けたIDFは、現在の台湾空軍には存在しない。別のページでも紹介したように台湾空軍の組織改編により 従来の”大隊”が組織上から消えた為である。現在は、尾翼を433TFWの赤っぽいインシグニアに換え 飛行隊のインシグニアは、フルカラーとなって 同じ機種に書かれている。1990年代初期に制定されたマーキング制度は、10年少々の期間で一変してしまったわけである。
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鄭成功と言う人物の名前を聞いたことがあるかと思うが 清朝のはじめの頃 明の復活をかけて清と戦った軍人である。清朝は、満州族の建てた王朝、明は漢民族最後の王朝となったわけである。鄭成功は、日本生まれの中国人(漢民族)で(母は日本人) 幼少の頃は日本で生活していた為日本語も達者だったはずだが 父親は水軍(悪く言えば海賊)を持っていたせいで 生まれながら海には明るかったため その後も海軍を率いて各地で戦っている。明が滅びそうだと言うことで清軍に対し ゲリラ戦を展開したが時代の流れには逆らえなかった。結局 明が滅び行き場が無くなった彼は、清と戦いながらも台湾を支配していたオランダ勢力を追い出して漢民族の管理下に戻した。このため 中国 台湾では英雄として人気が高いし 長崎の平戸生まれの為 国姓爺として日本でもしられている。彼がオランダから台湾を開放した後 台湾統治の本拠地としたのが台南市で 台湾の歴史上最初の首都であったのだ。台湾海軍がアメリカから多数導入したオリバーハザード・ペリー級フリゲートの一番艦にも”鄭成功”と付けられ アモイにも彼の銅像があるらしい。話が長くなったが 台南とはそう言う歴史のある街でもあるのだ。 
台南空軍基地をタキシングする第1大隊のIDF、機首には第3中隊のインシグニアがシルエットで記入された。これは最初にIDFを受取ったCCKの第3大隊のマーキングに準じたもので、1990年代後半に他国の低視認性マーキングを台湾空軍でも採用し始めた時の流行とも言える。130機生産されたIDF経国は、其の搭載兵器を国産のものに換え装備している。短距離空対空ミサイルを天剣-T型、中距離空対空ミサイルを天剣-U型として胴体下に半埋め込み式に装着する。これらの国産ミサイルは、IDF開発中から同時並行的に開発・テストが繰り替えられ IDFの配備と共に大量に生産装備された。しかし F-16A/Bは、アメリカ製のAAM、ミラージュ2000-5は、フランス製のAMMと機種によって 空対空ミサイルだけでも3体系のミサイルを保有するのは運用上も好ましい事ではない。国産ミサイルの開発は、我航空自衛隊でも同様であるが 安定した供給を維持する為には必要なことであるが IDFも今後の改造でアムラームやAIM-9Xといったアメリカ製のミサイルをも平行運用できるように 改修されることが望ましい。(2007/10/27)  
風向きが変わった為 南側アラートハンガーから北側のアラートハンガーに移動するIDF(86-8084)。台南空軍基地の場合 アラート機は、5分待機が4機である。当然 空対空ミサイルは,フル装備で 翼端と兵装ラックに4発の天剣-T空対空ミサイルの実弾を装着、胴体下には 分かりにくいが天剣-Uを2本埋め込んでいる。台湾海峡を挟んで大陸に接する台南基地は、常に迎撃体制が万全だ。